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Gentleman Philosopher

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教える気持ち良さは気持ち悪い

From: Stephen S. HANADA Shinjuku, Tokyo Sunday, 09:31 a.m. 親愛なる友人へ、 いかがお過ごしですか? 10年以上前、大学生だった私は教育実習のために二週間高校にいました。そして、高校公民の免許を取るために行った高校で、気持ち悪い体験をしました。心霊的なものではなく、人の心理に関する気持ち悪さです。 生徒たちは、数年前に高校を卒業し、まだ卒論すら書いたことのない学生たちに向かって「先生」「先生」と言うのです。そう言われたとしても、恥じることのないように勉強と訓練をしてきたとは言え、私を含む教育実習生らはそう言われることに興奮を覚えていました。教えること、そして、教える側に立つことは、とても気持ち良いです。しかし、私は 気持ちよさを感じる自分に対して 気持ち悪さを感じていました 。これの理由はその時は分かりませんでした。しかし、その不快感は根強く、結局、教員になる道を選ぶことはありませんでした。...

From: Stephen S. HANADA Shinjuku, Tokyo Sunday, 01:11 p.m. 親愛なる友人へ、 いかがお過ごしですか? 「utilなどというパッケージは不要だ」 先日、私は職場でそのように叫びました。事実、私はそう信じています。特にWebアプリケーションのDDDやClean Architecture、OOPにおいて本当に必要な状況はかなり限定的で、本質的には不要、さらに言えば、存在するべきではない、とすら言えます。同じことはcommonやlibraryやcoreなどといったものにも該当します。私はこれらのものが出てきた時に、次のように冗談を言います。 core →「核となるもの? 核爆弾でも作る気か?」 common →「常識(common sense)なのか? 少なくともこれは良識(bon sense)的なパッケージ/関数ではない」 utility →「公共事業(utilities)をやるのは結構だが、ゴミ最終処分場を街中に作るのはやめろ」 library →「図書館運営をするほどの余裕があるのか?」...

From: Stephen S. HANADA Shinjuku, Tokyo Sunday, 09:26 a.m. 親愛なる友人へ、 いかがお過ごしですか? 私は年に4回ほど(もしかしたらもっと多いかも)とても体調が落ち込みます。季節の変わり目や長期休みのタイミングで生じがちです。そして、このGW中が年4回の体調不良の1つです。行楽日和で人の移動が多くありますので、あなたも体調には十分気をつけてください。 今日あなたにお伝えしたいことは、今こうやって、体調が悪くても、アウトプットを私がしなければならないことについてです 人の悩みとしてよく語られがちなものはいくつかあります。そのうちの1つが自分の物を世に出すこと、つまり、アウトプットすることを、どう身につけるか、どう習慣化するというものです。仕事ではアウトプットすることが習慣になっているけれど、個人の場合はできなかったり、時々しか出せなかったり、ということで悩む人は多いです。...

From: Stephen S. HANADA Shinjuku, Tokyo Sunday, 11:32 a.m. 親愛なる友人へ、 いかがお過ごしですか? 私達は度々、 そうであると知っていながら、 そうではないあり方で語ります。 このことを理解するために、私のDeliberateな思いつきの次の一文から考えていきましょう。 幽霊に重力魔法は効く。 この一文には心霊とファンタジーが混ざっており、あなたには奇妙に映るかもしれません。しかし、これは人々が見落としがちな共通の認識から出てくるものであり、その導出のやり方と、もともとの共通の認識への気づき方は、とても大事だと思います。 幽霊と言えば、様々なものが彷彿とされます。Jホラーの代表的な貞子やお岩さん、もしくは化け猫や地縛霊など、たくさんの幽霊が思い浮かばれることでしょう。家に出る幽霊や事故物件などは「もしかしたら…」と大人になっても怖くなるものの一つです。もちろん、幽霊が家に出るという話は日本だけではなく、各国にもあります。...

From: Stephen S. HANADA Shinjuku, Tokyo Sunday, 12:27 pm 親愛なる友人へ、 いかがお過ごしですか? 私の少中高校生時代は地獄でした。一定の空間に半日ほど拘束され、固定された人間関係に縛られ、なのに、共通した目的もなく、にもかかわらず、あれもこれも駄目、しかも土地に根ざした人たちが多くいる、という環境は、とても辛かったです。詳細は省きますが、とにかく私にとっては全くの地獄でした。 しかし、教科教育、いわゆる授業は嫌いではありませんでした。比較的楽しかったですし、学びがありました。教師によって教えるのに上手下手、というのはありましたが、地獄の半日の中では心休まるものでした。 ところで、授業中に内職している人が一定数います。その内職というのは、多くが学習塾の勉強です。なぜそのようなことを彼らがしているか尋ねれば、「学校の授業は効率的じゃないから」と答えるでしょう。実際、そう答える人もいました。...

From: Stephen S. HANADA Shinjuku, Tokyo Sunday, 12:03 p.m. 親愛なる友人へ、 赤の女王をご存知ですか? ルイス・キャロルの『鏡の国のアリス』に出てくる頭の大きな女王様のことです。そして、赤の女王の「その場にとどまるためには、全力で走り続けなければならない」というセリフから生まれた、種・個体・遺伝子が生き残るためには進化し続けなければならない、という赤の女王仮説もあります。 この仮説はあなたもなんとなく知っていたり信じていたりするかもしれません。私もそうです。エンジニアとしても、マネージャーとしても、そして、スタートアップという業界にいる個人・組織としても、立ち止まってしまっては絶滅するしかない、と私は思っています。つまり、 私も赤の女王なのです。 そのため、勉強、学習、挑戦を行い、時にはハードワークをしたり、がむしゃらに働いたりもしました。しかし、それは本当に「全力で走り続ける」ことだったのでしょうか? 本当に「その場にとどまる」ことができたのでしょうか?...

From: Stephen S. HANADA Shinjuku, Tokyo Sunday, 10:26 am April, 6, 2025 親愛なる友人へ、 いかがお過ごしですか? 先週は、トランプ大統領による謎の「相互」関税導入によって、市場は大荒れでしたね。私はかねてより積立NISAへの批判をしていたり、現在の株価が実態からかけ離れていると述べていたりしており、あなたも察していたように、私はノーポジションだったので直接的な影響は受けていません。あなたも被害がなければ、もしくは軽傷であればと祈っております。また、日本が報復関税などを導入して、さらに私やあなたの生活を貧しくさせないことを祈っております。...

From: Stephen S. HANADA Shinjuku, Tokyo Sunday, 9:29 a.m. 親愛なる友人へ、 いかがお過ごしですか? サイロ化、それは組織が縦割りになったり、自己の領域に各々がこもったりして、それぞれの領域では深化し強いですが、他方で横の連携をするところでやりづらさを感じる、もしくは連携できない状態という、ビジネスや組織において深刻な問題のことです。 ところで、職能やスキルセットで分けるところでサイロ化は生じると語られがちではありますが、実際は、機能横断チームであっても、機能やプロセスの領域ごとにサイロ化は生じます。だから、ギルドだったり、FASTやDynamic ReTeamingが使われたりして、職能においても機能においても領域をまたいだ交流が行われたり、分断が生じないくらいに流動的にしようとしたりするのです。しかし、それでもサイロ化は生じます。より残酷に言うと、 サイロ化は一生つきまといます。...

From: Stephen S. HANADA Shinjuku, Tokyo Sunday, 09:53 a.m. 親愛なる友人へ、 いかがお過ごしですか? 「どうして気づけたの?」 「どうして読み飛ばさなかったの?」 ここ最近、私のNewsletterの内容に関して、同様の質問が何件か異なる人から投げられました。そのうちのいくつかは「霊は心臓の後ろ側から体内に入り込みます」というフレーズについてでした†1。普通の感覚だと見落としてしまうものを、どうして気づけたのか、という方法に関する問いでした。しかし、それは同時に、彼ら自身もこのフレーズを覚えてしまうほど興味を持っていたはずなのに、私のNewsletterの中で一度は読み飛ばしてしまっていたけれど、後で気づくという体験をしていたことに疑問を感じたことの表明でもありました。 私が色々な一節や主張に気づける理由や原因には、運の要素も多少はあるでしょう。しかし、たとえ運だとしても、気づくための確率を上げる操作は意図的に実施しています。それは、注意深く読むというものでもありませんし、全文を事細かに見るということでもありません。私は、...

From: Stephen S. HANADA Shinjuku, Tokyo Sunday, 08:54 a.m. 親愛なる友人へ、 いかがお過ごしですか? 前回のNewsletterでは、複雑なものを複雑に語ることの難しさと、その理由および対処方法について若干触れました。 しかし、すごく身近にありながらもすごく複雑なものについて、前回触れていませんでした。それは、 「自分」 です。もしくはエゴと言っても良いでしょう。自分というのは複雑です。これまで多くの哲学者や心理学者が「自分」について多様に論じてきました。例えば、ただの文法だ、ただの知覚の束だ、ただの眺望固定病だ、などなど。このことから分かるように、自分というのはメタに論じる上においても複雑であるように、対象としても複雑です。 かく言う私も、自分の複雑さにここ数日悩まされているようで、類似した悪夢を何度も見ています。...