アウトプットを習慣化する鍵:2つ


From:

Stephen S. HANADA

Shinjuku, Tokyo

Sunday, 09:26 a.m.

親愛なる友人へ、

いかがお過ごしですか?

私は年に4回ほど(もしかしたらもっと多いかも)とても体調が落ち込みます。季節の変わり目や長期休みのタイミングで生じがちです。そして、このGW中が年4回の体調不良の1つです。行楽日和で人の移動が多くありますので、あなたも体調には十分気をつけてください。

今日あなたにお伝えしたいことは、今こうやって、体調が悪くても、アウトプットを私がしなければならないことについてです

人の悩みとしてよく語られがちなものはいくつかあります。そのうちの1つが自分の物を世に出すこと、つまり、アウトプットすることを、どう身につけるか、どう習慣化するというものです。仕事ではアウトプットすることが習慣になっているけれど、個人の場合はできなかったり、時々しか出せなかったり、ということで悩む人は多いです。

私もこのNewsletterを始める前は出来ていませんでした。そして、今なお私は私の理想に遠く及んではいませんが、稚拙ながら毎週メールでお伝えしているので、アウトプットが習慣化している人と判断されがちです。しかし、元々から出来ていたわけではありません。

私がどうしてアウトプットを習慣とするように変化したのかについて、ふりかえると、要因は大きく2つあります。まず第一に

締め切り

です。締め切り、デッドライン、これらを設定すること、そしてそれを守ること、これを第一に挙げざるを得ません。何を当然のことを、と思うかもしれませんが、アマチュアは自分の納得するものを世に出しますが、プロは締め切りを守るのです。質は大事ですが、期日が優先されるのです。なので、たとえどんなに体調が悪くても、週に1回Newsletterを書くと決めたら、それを守るのです(流石に高熱でうなされている時や、座ることすらままならないときは、守れませんが)。

そして、アウトプットを習慣にするための第二の要因は、

アナログなものに頼ること

です。ディジタルは生産的ではありますが、実のところ、効率的ではない、というのが私の見解です。今の私は、Pelikanの万年筆を使って、Yellow Legal Padに手で書いています。これについて、あなたは次のように思うかもしれません。結局後でタイピングするのだし、最初からディジタルがいいだろう、と。手書きは遅いし、疲れるから、生産的じゃないだろう、と。いかにも、その通りで、アナログはディジタルよりも生産的ではないです。しかし、生産性という指標にはゴミを生産することも含まれています。そして、アナログの面倒臭さはゴミを生産することを避けさせます。生み出すことや修正することの容易さと、ゴミを生み出さないこととは、トレードオフの関係にあると思っています。頑張って作ったけれど、やっぱりゴミだった、となると、どんなに生産的であっても効率的ではありません

そして、アナログの良さには、ディジタルと違って、いつでも目に飛び込んでくることも挙げられます。スマホやパソコンでは、ファイルやツールが容易に目のつかないところに配置することが可能です。さらには、その存在を忘却してしまうのです。しかし、アナログの場合、目につかないようにするには労力が要ります。そして、目につくから、一度習慣になってしまえば、アウトプットをしないことはとても気分の悪いことになるのです。

他の良さ、アウトプットにつながる点としては、手で書いたものは、物理的な可視化がなされ、そこから自信につながることも挙げられます。これまでNewsletterのために使われたYellow Legal Padsを見てください。

どうでしょうか。バイト数とは違った説得感が常にもたらされます。(このNewsletterがちょうど7冊目を完了させるものになりました。)

アウトプットの習慣化のために、私にとって有効だったのは、

締め切り + アナログ

でした。あなたがもしアウトプットの習慣化で悩まれているなら、一度試してみてください。ただし、必ずしもこれがあなたにも有効であるとは限りません。しかし、有効ではないことが分かることもまた有用であり、効率的なのです。何か違う、ということが分かることによって、ピッタリの自分に近づけて、アウトプットを習慣化することを含めた、真正の記述ができるようになっていくのです。

それでは、

青を心に。

Stephen S. Hanada

"Gentleman Philosopher"

P.S. まず一度書き、赤ペンで修正して、そして思ったことは、やはり体調が良くないと、文量も内容もあまり芳しく無いということです。来週には体調も良くなっていると思いますので、今しばらくお待ちください。

P.P.S. 手で書き、赤ペンで直し、タイピングし、校正し、声に出して、修正する、という一連の作業をしていれば、書き出した9時26分から、今は11時34分と、二時間以上が経過しています。生産的ではないでしょう。ですが、これが一番の近道となる、Deliverate Workなのです。

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