From: Stephen S. HANADA Shinjuku, Tokyo Sunday, 12:11 p.m. 親愛なる友人へ、 いかがお過ごしですか? 「経済学に科学的モデルはない! 予測もなければ説明もない!」 友人たちとの会話の中で、そのような話が出てきたことを私は記憶しています。 確かに、経済学者の語る予測が当たることも少ないですし、起きている事象の説明もあまり有効ではないように見受けられます。もちろん、経済活動というのは人間の信念や行動、そして、組織、行政、気候も関わりますから、予測も説明も困難かもしれません。しかし、科学的なモデルとして期待しているほどのものは提供されていない、と感じてしまうのは、一定の納得感があります。 しかし、それは経済学だけでしょうか? 物理学や生物学でも予測や説明に失敗することはあります。生物学で言えば、そもそもは記録がメインなところが多い学問です。そして、物理学でも、飛行機が飛べる現象や原理の説明も、結局は飛んでいることをそのまま記述し直しただけであり、説明とは言えないものでしょう。...
about 1 month ago • 1 min read
From: Stephen S. HANADA Shinjuku, Tokyo Sunday, 09:51 a.m. 親愛なる友人へ、 いかがお過ごしですか? 「顧客はドリルを求めているわけではない。穴を求めているのだ」というフレーズはビジネスの場面で度々見かけます。しかし、この主張は字義通りに受け取ってはなりません。そして、 顧客の本質的課題など存在しない 、と私は考えます。 ドリルではなく、穴を。穴ではなく、電線を通す穴を。電線ではなく、計算機が動くことを。計算機が動くことではなく、仕事が楽になることを。……と、このように後退し続け、結局は、富・健康・関係のいずれかの課題に帰着します。しかし、それらの課題を解決する方法はドリルを売っているホームセンターでは取り扱われていませんし、ホームセンターで話すのはナンセンスです。さらに、富・健康・関係というのは、人が関わる市場における重要な課題やテーマではありますが、それらは人や市場において普遍的であるわけでもなく、通時的でもなく、そして偶有的です。だから、帰着したところの富・健康・関係もまた、顧客の本質的課題ではありません。(†1)...
about 1 month ago • 1 min read
From: Stephen S. HANADA Shinjuku, Tokyo Sunday, 09:40 a.m. 親愛なる友人へ、 いかがお過ごしですか? 10年前のプログラミング学習では、コピペというのは学習方法として優れているわけではないにせよ、多少なりとも有効でした。解決したい問題があり、それを解決するためのコードを見つけ、コピー&ペーストし、そして問題に合わせるために形を変えたり、後日変更するためにパターンを変えずに拡張したり、再び類似の問題に出くわしたときに調整しながらも同じパターンで解決したりすることによって、自ずとそのパターンについて学習することができ、その意図や理由を身に着けていくことがなされていました。...
about 2 months ago • 1 min read
From: Stephen S. HANADA Shinjuku, Tokyo Monday, 11:16 a.m. 親愛なる友人へ、 いかがお過ごしですか? 「マッチングアプリはevilだ! カップルを作るという結果を売る体でありがなら、マッチングという過程を売り続けることを目的にしている! そして、結果を提供しないことで儲けている!」 このような意見を目にすることが増えました。目にすることが増えた原因は、私の周囲の人に結婚や恋愛を考える人が増えたからかもしれませんし、サービス提供側がどこかで問題を起こしたのかもしれませんし、社会における対立や分断が認識されたからかもしれません。 しかし、私はその背後にある経済や社会よりも、その人たちが行った語の選択に興味が湧きました。「過程」と「結果」という言葉についてです。サービスを提供する側に立てば、カップルになるというのはその人へのサービス提供の終わりであり、結果でしょう。しかし、カップルになるというのは人間関係においては結果ではなく過程であり、ある関係になった状態(State)に対しての分類・名付けです。...
about 2 months ago • 1 min read
From: Stephen S. HANADA Shinjuku, Tokyo Sunday, 09:31 a.m. 親愛なる友人へ、 いかがお過ごしですか? 10年以上前、大学生だった私は教育実習のために二週間高校にいました。そして、高校公民の免許を取るために行った高校で、気持ち悪い体験をしました。心霊的なものではなく、人の心理に関する気持ち悪さです。 生徒たちは、数年前に高校を卒業し、まだ卒論すら書いたことのない学生たちに向かって「先生」「先生」と言うのです。そう言われたとしても、恥じることのないように勉強と訓練をしてきたとは言え、私を含む教育実習生らはそう言われることに興奮を覚えていました。教えること、そして、教える側に立つことは、とても気持ち良いです。しかし、私は 気持ちよさを感じる自分に対して 気持ち悪さを感じていました 。これの理由はその時は分かりませんでした。しかし、その不快感は根強く、結局、教員になる道を選ぶことはありませんでした。...
2 months ago • 1 min read
From: Stephen S. HANADA Shinjuku, Tokyo Sunday, 01:11 p.m. 親愛なる友人へ、 いかがお過ごしですか? 「utilなどというパッケージは不要だ」 先日、私は職場でそのように叫びました。事実、私はそう信じています。特にWebアプリケーションのDDDやClean Architecture、OOPにおいて本当に必要な状況はかなり限定的で、本質的には不要、さらに言えば、存在するべきではない、とすら言えます。同じことはcommonやlibraryやcoreなどといったものにも該当します。私はこれらのものが出てきた時に、次のように冗談を言います。 core →「核となるもの? 核爆弾でも作る気か?」 common →「常識(common sense)なのか? 少なくともこれは良識(bon sense)的なパッケージ/関数ではない」 utility →「公共事業(utilities)をやるのは結構だが、ゴミ最終処分場を街中に作るのはやめろ」 library →「図書館運営をするほどの余裕があるのか?」...
3 months ago • 1 min read
From: Stephen S. HANADA Shinjuku, Tokyo Sunday, 12:49 p.m. 親愛なる友人へ、 いかがお過ごしですか? 「ほら! この語り手は信頼できないんだよ!」 「この語り手は信頼できないから、何度も鑑賞した私の方を信頼して!」 「信頼できない語り手(Unreliable narrator)」を採用した作品について解説する記事や動画において、このような語りがしばしば見られます。しかし、その解説をする語り手は、本当に信頼できる聞き手なのでしょうか? 「信頼できない語り手」は、映画や小説などの作品の中で使われる有名な手法の一つで、叙述トリックとされます。私もこの「信頼できない語り手」が採用されている作品が好きで、例えば、「藪の中」、「ライ麦畑でつかまえて」、「ファイト・クラブ」、「ジョーカー」、「メメント」、「さよならを教えて」といったものが、すぐに挙げられます。 しかし、「この語り手は信頼できないから、聞き手である私の方を信頼しろ」という言説は、これもまた「信頼できない語り手」となりえます。...
7 months ago • 1 min read
From: Stephen S. HANADA Shinjuku, Tokyo Sunday, 09:26 a.m. 親愛なる友人へ、 いかがお過ごしですか? 私は年に4回ほど(もしかしたらもっと多いかも)とても体調が落ち込みます。季節の変わり目や長期休みのタイミングで生じがちです。そして、このGW中が年4回の体調不良の1つです。行楽日和で人の移動が多くありますので、あなたも体調には十分気をつけてください。 今日あなたにお伝えしたいことは、今こうやって、体調が悪くても、アウトプットを私がしなければならないことについてです 人の悩みとしてよく語られがちなものはいくつかあります。そのうちの1つが自分の物を世に出すこと、つまり、アウトプットすることを、どう身につけるか、どう習慣化するというものです。仕事ではアウトプットすることが習慣になっているけれど、個人の場合はできなかったり、時々しか出せなかったり、ということで悩む人は多いです。...
8 months ago • 1 min read
From: Stephen S. HANADA Shinjuku, Tokyo Sunday, 11:32 a.m. 親愛なる友人へ、 いかがお過ごしですか? 私達は度々、 そうであると知っていながら、 そうではないあり方で語ります。 このことを理解するために、私のDeliberateな思いつきの次の一文から考えていきましょう。 幽霊に重力魔法は効く。 この一文には心霊とファンタジーが混ざっており、あなたには奇妙に映るかもしれません。しかし、これは人々が見落としがちな共通の認識から出てくるものであり、その導出のやり方と、もともとの共通の認識への気づき方は、とても大事だと思います。 幽霊と言えば、様々なものが彷彿とされます。Jホラーの代表的な貞子やお岩さん、もしくは化け猫や地縛霊など、たくさんの幽霊が思い浮かばれることでしょう。家に出る幽霊や事故物件などは「もしかしたら…」と大人になっても怖くなるものの一つです。もちろん、幽霊が家に出るという話は日本だけではなく、各国にもあります。...
8 months ago • 1 min read